『 炉に投げ込まれる草でさえ 』
ルカによる福音書12章22~32節
私は五十歳を過ぎて農業に導かれました。未だに何が解らないのかも判らないド素人です。はじめの頃から「農業は雑草との戦いやちゃ。」と何度も聞かされてきました。いざ戦ってみると雑草というのは不思議がいっぱいです。そもそも「雑草」とはなんでしょう。一般的にはその辺に生えている邪魔になる草という感じでしょうが、しかし雑草の定義はあいまいで、その種が雑草であるかはみる人によって異なります。農業従事者としては、イボクサ、ホタルイ、クサネム、ヒエ、スギナなど様々です。斑点米の原因となるカメムシの温床になったり、農作物の栄養を横取りして作物が生育を妨げたり、収穫の時機械の妨げになるなどの厄介な存在です。今はクサネムの除去に努めています。クサネムとは秋に黒い種が出来て、これが米に混入すると米の等級が下がります。スギナも神出鬼没でどこにでも生えてくる厄介者です。地下茎で横に伸びてあっという間に広がっていきます。農作物は弱酸性の土壌が適していると言われています。日本の国土は酸性が強くなる傾向が有ります。火山性の地質に加え、雨が多くてカルシウムやマグネシウムの流出によって酸性化が進みます。酸性の土壌は作物の根を痛め、生育を阻害し、アルミニウムなどの有害物質が溶け出しやすくなったり、リン酸の吸収を妨げます。スギナはそんな酸性の土壌に生えてきて嫌われてきましたが、他の作物が生えることが出来ない過酷な環境、強い酸性の土地に生えて酸性からアルカリ性の方へ向かわせています。スギナの根には沢山の微生物やトリコデルマ菌などの細菌がいて 土壌を改良しています。スギナのような植物の根の周りには有機物がたまって微生物が定着しやすくなるそうです。スギナは刈ると茎や根が良い肥料になります。思ったより「イイ奴」でした。
「万物は言によって成った。成ったもので、言によらず成ったものは何一つなかった。(ヨハネによる福音書1:3)」 農業を通して雑草には様々な神様の恵みが施されていることを思わされます。全てのものを造られた方は、造られたものの細部にまで心を留め微睡むこともなくいつも傍らで守ってくださっています。神様はそのご計画にしたがって私たちを今有る場所に導かれました。周りから理解されなくても、自分でも何が出来るかわからなくても御手の中の平安を味わうことが出来るのではないでしょうか。「恐れるな。」「思い煩わないように。」「何でも神様に願い求めなさい。」私たちを愛して愛し愛し抜いてくださる方、御子をさえ惜しまず私たちの罪の贖いとして死に渡された方の御心は全ての人が救われることです。私たちの周りの全ての人に福音を届けましょう。私たち富山小泉町教会に呼び集められた者たちはただ福音を全ての人にお伝えすることのために有ります。聖霊が私たちに燃えるような情熱と信仰を下さるように。主の栄光がとこしえにありますように。御名が崇められますように。
S.Y.兄
0 件のコメント:
コメントを投稿