2024年12月15日日曜日

2024.12.8 牧師室便り

  「 平和の主を待ち望む 」

先週の火曜日の夜中、驚くべき知らせが届きました。隣国であり、私の祖国でもある韓国で非常戒厳令が発表されたということでした。そのニュースを見た瞬間、恐れ、興奮、そして怒りが込み上げてきました。

韓国は長い間、軍部独裁が続き、軍人や邪悪な権力者による非常戒厳令の下で、多くの市民が犠牲になったことを思い出します。その悲劇の歴史が再び訪れるのではないかという思いに、胸が締め付けられるようでした。

今回の非常戒厳令は、大統領とその家族の腐敗を隠すために始まったものでした。国会や一般市民を弾圧し、彼らの血で自分たちの罪悪を覆い隠そうとする狙いがあったのです。世界の多くの国でも、同じように権力者たちが自らの欲望や腐敗を隠し守るために多くの国民を犠牲にしてきた歴史を知っています。今から45年前の「光州事件」(光州民主化運動)も、まさに非常戒厳令によって数千人が犠牲になりました。

実は、クリスマスの時にも同じような悲劇が起きていたことを聖書は記しています。当時のヘロデ王は、自らの権力を安泰にするため、救い主であり真の王の誕生を知らせた東方の博士たちの言葉を聞き、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を一人残らず殺してしまいました。この悲劇は、神の御子が人の姿を取ってこの世に来られた究極の謙遜と犠牲の象徴である出来事と重なります。救い主を待ち望むアドベントの時期に、このような悲劇が起こることに、胸が痛む思いです。
このクリスマスの季節、世界中のキリスト者たちと世界の権力者たちが、王の王、主の主であられるイエス・キリストの謙遜、犠牲、そして愛の御姿にひれ伏し、真の平和を実現していくことを祈りつつ…。シャローム!

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