『行って、あなたも同じようにしなさい』
ルカによる福音書 10章25~37節
年末から娘夫婦が帰省していました。元旦の17時台の北陸新幹線で東京に帰るために、家を出ようとした矢先に家族全員のスマホから地震警報がけたたましく鳴りました。16時6分震度3程度の地震があり、その後すぐに再度地震警報が発令され、遠方から強い揺れを予感させる地響きのような音がしたと思った後、激しく、長い揺さぶるような地震となりました。
富山県は、氷見や高岡市は、液状化によって甚大な被害を受けている家も多くありますが、富山市は、被害を受けていない所も多いのですが、地区によっては道に亀裂が入るなど大きな被害がでています。富山YMCA駅前センターは、4階~8階までビルのテナントを借りているため、揺れが激しく、特に、7階のY’s さくらカフェは、電子レンジや棚が倒れ、食器や瓶などの破損が激しかったようです。正月でプログラムがなかったことが幸いしました。
私は、1月4日に川渕映子さんとパンや水などを持参して穴水町に行き、また、18日~20日に東京YMCAのスタッフ3人と輪島市に行きました。能登半島は、高齢化率が5割を超える町も多く、復興も長期にわたると予想されています。3週間たって電気は復旧しつつありますが、90Kmにわたり1分間で4メートルも隆起した輪島周辺は、上下水道ともに管のズレや亀裂があり、水道の復旧の目途が立っていません。
今回、訪問した輪島市は、報道にあるように朝市通りは言葉も出ないほど焼きつくされ、多くの家やビルがつぶれ、傾いています。
そのような中で、東京YMCAホテル学校出身者の父親が経営する旅館は、奇跡的に建物本体には大きな破損も無く、畳の部屋に宿泊させていただきました。ようやく、電気が開通したそうですが、土地の隆起によって若干傾いており、水道の復旧も見通せず、将来の不安に悩まれています。2007年の能登半島地震、2023年奥能登地震など度重なる地震を経験し、また、冬は雪に閉ざされ陸の孤島となりがちな、能登の人々は、我慢強いと言われていますが、多くの人々は希望が見いだせないでいます。
私は、大災害があるたびにルカによる福音書の善いサマリア人のたとえが頭に浮かびます。1995年1月17日の阪神淡路大震災の復興支援を続けてきた神戸YMCA総主事でYMCA災害対策本部長であった山口徹氏が、当時私が横浜YMCAの職員として災害支援に携わっていた際に、横浜YMCAの職員礼拝で語ったメッセージの聖書の個所だったからです。
YMCAや教会のネットワークを通じて、私たちができることを考えていきたいと思います。被災して悲しみのうちに困難にある人々と寄り添いつつ、風光明媚な能登の復興に希望の光が灯ることを祈ります。「行って、あなたも同じようにしなさい」というイエス様の声がこころを突き動かします。
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