2023年10月3日火曜日

2023.10.1 本日の宣教

  『確信と忍耐 』 

                ヘブライ人への手紙10章32~39節

初代教会当時、多くのユダヤ人キリスト者は、再臨の遅延、ローマ帝国による迫害、さらにユダヤ教との葛藤によって、信仰の危機の中に立たされていました。とりわけ信仰の弱いユダヤ人信徒たちは背教の危険にさらされていたわけです。そこでヘブライ人への手紙の著者は、彼らを励まし、揺るぎない信仰のために手紙を書きました。

著者はまず、「あなたがたは、光に照らされた後、苦しい大きな戦いによく耐えた初めのころのことを、思い出してください。(32節)」と勧めます。ここで「光」とは、福音と、福音を通して受けた救いの恵みを指します。もともと私たちは、暗闇の力である罪と死の下にいた者でした。そのような私たちに福音が伝えられ、救いの光が照らされたのです。神が光となって私たちのところに来られ、私たちは罪と死の力から解放され自由になり、神の子となる特権を受けたのです。ところが、光の子として生きることは決して簡単でやさしいことではありません。サタンは、神の民を絶えず攻め込もうとし、耐えられないほどの迫害を加えるのです。著者は当時受取人たちが被った試練について、「あざけられ、苦しめられて、見せ物にされ、捕らえられ、財産を奪われてしまった(33~34)」と描いています。

それでは、これらの患難や迫害を喜んで耐え忍ぶことができた理由はどこにあったでしょうか。それこそ、「自分がもっとすばらしい、いつまでも残るものを持っていると知っている。・・・だから、自分の確信を捨ててはいけません。この確信には大きな報いがあります。(34~35)」からでした。

そうです。天に希望を置く人は、世の迫害と患難を恐れず、神が与えてくださる「確信」によってこの世を生きていきます。そして、キリスト者が信仰と確信を捨てることなく、その約束のものを手に入れるために「忍耐」が必要だと教えます(36節)。この「確信と忍耐」がなかったために当時のヘブライ人信徒たちが動揺し、背教の危機にさらされるようになったのです。

そこで著者は、「正しい者は信仰によって生きる」というハバクク書2:3~4の御言葉を用いることで、ヘブライ人の信徒たちを励まします。預言者ハバククは、敵が押し寄せてきて、持っているものをすべて奪われることがあっても、確信と忍耐をもつことで勝利することができると宣言しています。 このハバククの言葉は、キリスト者の信仰を説明し宣言する核心個所です。後にルターがこの御言葉に立って宗教改革を行うことができたことを覚えましょう。

主イエスは、どんな状況にあっても信仰に立って前進する者を喜ばれます。信仰は、苦難の中でも屈することなく、天の御国を見上げながら希望へと前進させます。神は信仰によって打ち勝った者に、大きな報いを与えると約束されました。その報いを受ける日が近づいていることを仰ぎ見ながら歩んでいきましょう。ハレルヤ!




                      

0 件のコメント:

コメントを投稿