『 ゆだねる 』 (コリントの信徒への手紙 二 12章9~10節)
人間の体には左右の膝、左右の股関節という体を支え曲げる役割をもつ、大切な4つの関節があります。私は、その4つの関節を人工関節に置き換える手術を、数年にわたって、一つずつ受けてきましたが、昨年12月に、最後の4つ目の手術を受け、それによって大きな関節はすべて人工関節になりました。その4つの人工関節は、毎日、私の体の中で、今も一生懸命に働いてくれています。
さて、今日示しされた聖書箇所は、使徒であり、偉大な伝道者パウロが、愛するコリント教会の信徒たちにあてた手紙の第12章です。7節~8節でパウロは次のように語っています。
『⑦わたしの身に一つのとげが与えられました。それは、思い上がらないように、わたしを痛めつけるために、サタンから送られた使いです。 ⑧この使いについて、離れ去らせてくださるように、わたしは三度主に願いました。』ここには、とげと書かれていますが、パウロを悩ませていた体の不調を取り除いてほしいために、三度祈ったとなっています。パウロは何とかよくなるように何度も何度も祈ったことでしょう。そして、その後に、本日の箇所(12:9、10)が続きます。『⑨すると主は、「わたしの恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」と言われました。だから、キリストの力がわたしの内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう。 ⑩それゆえ、わたしは弱さ、侮辱、窮乏、迫害、そして行き詰まりの状態にあっても、キリストのために満足しています。なぜなら、わたしは弱いときにこそ強いからです。』ここでパウロは、あんなに願っていた病からの解放とは反対の答えが与えられた後、『キリストの力が私の内に宿るように、むしろ大いに喜んで自分の弱さを誇りましょう』と、願いを取り下げています。それは、パウロがすべてを主に委ねた瞬間かもしれません。そして『…の状態にあってもキリストのために満足しています。』なぜなら、私は弱いときにこそ強いからです。』と高らかに宣言しています。そこにパウロのまっすぐな信仰を見ます。
私はパウロと比べるほどの愚か者ではありませんが、パウロのように棘を与えられ、また家族のことなども含め、たくさんの試練を与えられました。その中で主が示してくださったことは、神のみ言葉、『私の恵みはあなたに十分である。力は弱さの中でこそ十分に発揮できるのだ』『弱いときにこそ強いからです。』でした。そして気がつくと、弱さの中で全てを主にゆだねることができ、そこに平安が与えられ全てが恵みに変えられたのです。主イエスに栄光がありますように。 アーメン!
S.Y.執事
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