2022年11月14日月曜日

2022.10.30 本日の宣教

 『 ルターのリンゴの木 』 (ローマの信徒への手紙3章21~28節)

7月1日から8月18日にかけて、デンマーク・ドイツ・インドネシアに50日間という長い旅を経験しました。デンマークで開催された第20回世界YMCA大会に参加した後、7月9日にドイツ北西の街リューベック市でコロナに感染し、7月15日帰国予定が8月18日になりました。

ドイツに行ったのは、赤ちゃんポストの現状を視察するためでした。最初のリューベック市で2番目に赤ちゃんポストを設置したフリーデリケ・ガルベ夫人の運営しているアガペーの家を訪問しました。そこを発つ直前にガルベ夫人は、亡くなられたご主人と3年前に庭に植えたリンゴの木を差して、ルターの名言として知られる、「たとえ明日、世界が亡びようとも今日私はリンゴの木を植える」という言葉を笑顔で語られました。

さて、今日、10月30日は宗教改革記念日です。505年前の1517年10月31日にマルティン・ルターによって、「宗教改革運動」がはじまった日です。当時、中世末のドイツでは11月2日は、「万霊節の日(死者の日)」 と され、その前日である11月1日は、「諸聖人の日」とされ、地方の領主が教会で様々の宝物を民衆に特別に展示する日でした。その日には、教会発行の「免罪符」を買うと天国に行けると伝えられ、多くの人々が買いもとめました。

ルターは、その前日である1917年10月31日に「贖宥(免罪)の効力を明らかにするための討論提題」(通称:「95か条の提題」)をドイツにおけるカトリックの最高位の聖職者であるマインツの大司教に送りました。ルターは、金銭を得るためならば、聖書にないことさえも説くことは、民衆の魂の救いに対する危機であると考えました。

提題の第一条には、「私たちの主であり師であるイエス・キリストが『あなたがたは悔い改めなさい』と言われた時、 イエスは、信じる者の全生涯が悔い改めであることをお望みになったのである。」と説いています。ルターは、聖書を通して「人間は、いくら罪を犯したくないと思っても、罪を犯さずにはいられない。人間とはそういうものである。しかし、毎日をひと時ひと時、悔い改めるのならば、イエスがいる」と伝えています。

「すなわち、イエス・キリストを信じることにより、信じる者すべてに与えられる神の義です。そこには何の差別もありません。人は皆、罪を犯して神の栄光を受けられなくなっていますが、ただキリスト・イエスによる贖いの業を通して、神の恵みにより無償で義とされるのです。」(ローマの信徒への手紙3章22~24節)

罪から逃れられない救いようのない私たちを救うために、イエス・キリストは、十字架にかかり神の一方的な義によって、どうしようもない私たちを永遠の命の救いへと導いてくれているのです。

それ故に私たちは、今日一日を大切にし、明日のことを心配しないで、今日できることに最善を尽くすのです。

                                  島田 茂


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