2022年7月14日木曜日

2022.7.10 牧師室便り

 ~ガチョウと黄金の卵から~

「主よ、あなたは貧しい人に耳を傾け、その願いを聞き、彼らの心を確かにし、みなしごと虐げられている人のために裁きをしてくださいます。この地に住む人は、再び脅かされることがないでしょう。(詩編10:17~18)」

近頃の世界の有様を見ながら、イソップ寓話の「ガチョウと黄金の卵」の物語が浮かんできました。

「ある日、ある貧しい農夫の飼っていたガチョウが、黄金の卵を産んだ。それ以降、来る日も来る日もガチョウは、新しい黄金の卵を産み続け、卵を売った農夫はやがて大金持ちになった。ところが、富が増すにつれ欲が出た農夫は、一日一個しか卵を産まないことに我慢できず、きっとガチョウの腹の中には金塊が詰まっているに違いないと考え、ついにガチョウの腹を切り裂くことになる。しかし、腹の中にあるはずの黄金の卵はなく、そのうえ黄金の卵を産んでくれたガチョウまで失ってしまう」という悲しい物語・・・。」

まさしく、欲張り過ぎて一度に大きな利益を得ようとすることで、その利益を生み出す資源まで失ってしまうという悲劇が今、世界規模で起きていると言えましょう。ロシアのウクライナ侵攻、それに伴うアメリカとヨーロッパ諸国の思惑、OPEC(石油輸出国機構)をはじめとする産油国による原油価格の高騰、背後で行われる武器輸出、世界的な食糧危機など…。すべてに人間の欲望とお金が絡んでいて、国や団体、人間の利己主義、弱肉強食といったそれぞれの欲望と資本主義という悪魔の価値観が武器となって神の世界と貧しく弱い人々を苦しめ殺している。それゆえ、平和という黄金の卵を、自由という宝を失っている現実です。ぜひ、神の国の民として目を広げ、神からいただいている世界平和と自由、平等、博愛などの宝物を、一瞬の欲望によって失うことがないように執り成す神の家族であるように…。シャローム!


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