2022年5月1日日曜日

2022.4.24 本日の宣教

 『 ウクライナ避難民支援 』(ルカによる福音書10章25-37節)

ウクライナでの戦争が激しさを増す中で、すでに460万人がウクライナ国外に避難しています。その9割が女性と子どもです。ウクライナ国内では、まだ多くの人々が避難できずにおり、1千万人以上の人々が避難民となることが予想されています。毎日のように多くの市民が殺害されている報道を見るにつけ、想像されていた戦争のエスカレート化によって、無差別の殺戮と多くの街の完全な破壊が現実になってしまっています。アメリカを始め西欧諸国が軍事費支援をすることによって、むしろ更なる拡大も想定されます。

非常な虚しさや悲しさを感じる日々の中で、私たちキリスト者は、日本にいて何ができるのでしょうか?

日本には4月19日までに661人の避難民が来日しています。日本YMCA同盟は、ヨーロッパYMCAと連携しつつ、現在までに60人の日本への避難を支援してきました。日本への避難民は、主に家族や親戚が日本にいる方が中心となっています。市民団体NPO・NGOとの連携で支援しているYMCAの活動報道を知り、ウクライナ大使館からは、更なる避難民支援の依頼が日本YMCA同盟に来ています。そのため日本YMCA同盟からは、社会福祉法人賛育会にも職員の派遣の要請があり、2名の職員の長期派遣を決定しました。

ルカによる福音書10章の「善きサマリア人のたとえ」は、YMCAの災害や難民支援などの際によくメッセージとして用いられます。37節「そこで、イエスは言われた『行って、あなたも同じようにしなさい。』」

この聖書の個所は、時に私の心に重くのしかかり、苦しくなります。私は、アフガニスタンで活躍し、いのちを奪われた中村哲さんのようにできない自分がいます。中村哲さんは、九州大学YMCAの出身でYMCAの先輩でした。かつて私は、日本YMCA同盟の代表でした。いつも「その場所にやってきたが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った」のが自分の本当の姿です。追いはぎに襲われて傷ついた旅人を介抱しているサマリア人を見て、近づくふりをして結局通り過ぎたのが自分です。どうしたら良いか分からないと言い訳し、もし近づいたら丘で見ている追いはぎに自分も襲われるかもしれないと、ただ怖いからです。でも、通り過ぎた後で、何もできなかったことが苦しくて、せめて助けたサマリア人がケガをした人を連れて行った宿屋の玄関に後でコッソリと寄って、その人のためにと自分の財布から少しだけのお金を包んでおいていく、そんな自分です。

私たちは何もできないかもしれません。でも、『行って、あなたも同じようにしなさい。』のイエスの声を聴き、活動を始めたYMCAの仲間の働きに、募金でご協力いただけると幸いです。

                                                                     島田 茂


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