2022年3月30日水曜日

2022.3.13 牧師室便り

 ~すべてをつなぐ十字架~

「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、・・・十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。」

(エフェソ2:14~16)

 ロシアのウクライナ侵攻によって始まった戦争が、すぐ終わるだろうという予想を超えて長引いています。それに伴いウクライナとロシア両国における犠牲と被害は日に日に厳しさを増していますし、これから起きるだろう両国の国民同士による復讐の連鎖が心配です。また、被害は両国間だけでなく、世界の経済や政治にも及んでいることを目の当たりにすることで、戦争は勝利者のいない悲劇に過ぎないことを、再三教えられているような気がします。テレビや新聞を見ると、今回の戦争がロシアの間違いだという主張が多くを占めている反面、ウクライナが問題の発端となったために今回の戦争が起きたのだという主張も少なくありません。しかし、何より大切なことは戦争があってはならないという必死の思いで両国が取り組むべきだったことですし、今も一日も早い戦争の終息のために最善を選ぶことです。

 そして先週、隣国の韓国において大統領選挙が行われ野党の候補が大統領に選ばれました。しかし、その得票数の差は僅か0.8%でした。まさしく両陣営が極端に分かれていることが見て取れます。もちろん勝った方は嬉しいと思いますが、負けた方の悔しさの感情は耐えられないものでしょう。真っ二つに分かれている国民をどのように和解させ将来に向けるかが新しい大統領の正念場であるでしょう。

 私たちは絶えず価値観、思想、階層、性別、地域などの違いのゆえに争ってきました。それを解決するために様々な人間的な方法を使って頑張ってきましたが、一瞬の間違った選択によって葛藤が生じ、赦せない敵を作ってしまい、戦争に走るという間違いを繰り返してきたのも事実です。これはまさしく悪しきサタンの狙いであるのです。それでは、どうすればいいだろうか。答えはただ一つ、キリストの十字架をすべての関係の間に置くことです。主イエスの十字架から示された命をかけた愛と赦しを通して国が国を、民族が民族を、人が人を見ることです。主イエスの十字架はすべてをつなぐ力をもっていて、すべての敵意を滅ぼすことができるからです。シャローム!


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