2022年3月30日水曜日

2022.2.27 牧師室便り

 ~今こそ、世界に目を向けるとき~

「なにゆえ、国々は騒ぎ立ち、人々はむなしく声をあげるのか。なにゆえ、地上の王は構え、支配者は結束して、主に逆らい、主の油注がれた方に逆らうのか(詩編2:1~2)」

いよいよ心配していたロシアによるウクライナへの侵攻が始まり多くの犠牲者が発生ました。1991年、ソ連崩壊後独立したウクライナでした。しかし、独立した後のウクライナは親ロシア派(東部側)と親欧米派(西部側)に分かれ、ずっと政治的な対立が繰り返されてきました。「オレンジ革命」、「クリミア半島併合」などの出来事は、今のウクライナを象徴していると言えましょう。…その反面、「大国の復活」を掲げるロシアのプーチン大統領は、旧ソ連から独立したウクライナのEU加盟や「NATO(北大西洋条約機構)」への加盟を進めることを警戒し、圧力をかけ続けてきました。そして先週に入って、プーチン大統領はウクライナ東部の武装勢力地域を「独立国家」として承認し、その地域を守るという口実でウクライナの東部地域を侵攻し、すでにウクライナの全土における軍事施設への爆撃を行い、攻撃は首都のキエフにも及んでいて、多くの人が命を落とされている現状です。これに対して、国連はじめ、世界の国々がロシア制裁を発表しています。しかし、その制裁がどれほどの効果をもたらすかは否定的な状況でしょう。これから、戦争による犠牲に遭う多くの人のことを思うと心が痛みます。コロナ危機も続く中、今回のロシアによるウクライナ侵攻によって、さらなる混乱が、世界を覆うことになるでしょう。・・・“主よ、憐みたまえ!”

主イエスは一人の罪人が悔い改めることで、天国では宴会が開かれると言われるほど、一人の存在と命こそ、何にも代えがたいものであることを教えられます。なのに、ロシアをはじめ、アメリカ、中国などのこの世の権力者たちは、決して正当化されない理由で戦争を始め、主イエスが十字架の上で命を捨て、身代わりとされるほどの尊い人の命を軽々しく殺してしまっています。真の支配者、真の正義を成し遂げられる神が、必ず罰せられることを信じつつ、主の助けと憐みを祈るのみです。主イエスに赦され神の国の民とされた者として、個人主義やナショナリズムに狂ってしまっている世界で、十字架の証人として世界平和と救いのため執り成しつつ、御心を叫びましょう。シャローム!


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