『 闇の中に光が輝く 』 (イザヤ8:23~9:6)
世界が暗闇に包まれています。気になるのは、その暗闇が日に日に増しているということでしょう。コロナパンデミックが終息どころか次々と変異株が出現し、世界をパニック状態に陥れたこの二年間でした。最近は、コロナだけではありません。いつ大地震が起きても不思議でないような状況が日本各地に続いていますし、世界規模で地震、火山噴火、地球温暖化による異常気象が頻繁に起きています。少しずつ良くなってきているようであればいいのですが、日に日に悪くなるばかり…。このまま終末を迎えるような気がする近頃です。
本日のイザヤが描くユダの民は暗闇と死の陰に覆われた地で生きていました。イスラエルの北部にあるガリラヤは、アッシリアとバビロンのような北方民族に侵攻されたときに、一番先に踏みにじられた地域でした。それでガリラヤはユダの人々からさえ蔑視と差別を受けていた地域でした。まさに、ガリラヤは暗闇の地だったのです。
しかし預言者イザヤは、その暗闇の場所からメシヤの働きが始まり、暗闇の地に光が照らされることを宣言します。政治と宗教の中心地であったエルサレムではなく、異邦人の地ガリラヤでメシヤが働かれるということは、当時の人々にとって非常に衝撃的な内容でした。実際、主イエスはガリラヤ地域を中心に働かれ、ガリラヤの疎外されていた民を訪ねられ、彼らを癒し、彼らの友となられました。主イエスは、マタイ4:14~16でイザヤを引用し、預言が成就したことを告げられました。「闇の中を歩む民は、大いなる光を見/死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。」(イザヤ9:1)…今も主イエスは罪と死の陰に覆われている暗闇の世界に来られ、命の光を照らしてくださいます。罪の中にいる人々の希望こそ、メシヤなる主イエスの光を受けることで、その光を受けた者は一人の例外もなく救いに加えられるのです。
イザヤが預言したメシヤは、みどりごとして生まれると紹介されています。しかし、みどりごとしては想像できないような特別な存在であることが記されています。「彼の肩には権威があり、驚くべき指導者、力ある神、永遠の父、平和の君」として来られるという。最も弱く小さなみどりごが成し遂げられる驚くべき御業です。さらにイザヤは、神がこの世に人として来られることを「万軍の主の熱意」によるものだと告げます。ここで「熱意」をより正確に訳すると、「嫉妬、ねたみ」になります。罪と死に満ちた暗闇の世界に光を照らし、メシヤをみどりごとして遣わされた理由こそ、神のねたみのゆえだったのです。すなわち、私たち人類を愛するゆえ、ご自身の民が暗闇を愛し、暗闇にご自身の民らを奪われることを許されません。私たちの神は、神の民に向かってねたまれるお方であることを覚えましょう。
本日、M兄のバプテスマ式が執り行われます。M兄の人生は生まれた時から暗闇でした。そのため暗闇を照らす光をずっと待っていたことでしょう。主イエスはM兄の願いに答え、光の子の恵みを与えられたのです。ハレルヤ!
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