2021年9月9日木曜日

2021.8.1 牧師室便り

  ~ コロナ時代に忘れてはならないこと ~

日本列島が東京オリンピックの金メダルの嬉しいニュースで熱狂しています。何より、一人一人の選手たちの今までの流した汗と努力を思うと感動の拍手を送るのが当然のことでしょう。また、メダルは取らなくても最善を尽くした選手たちに応援の拍手を送りたいと思います。

さて、たくさんの金メダルの嬉しいニュースに隠されている「コロナ危機に直面している医療関係者の方々、突然感染され暗闇の時を過ごしておられる方々、また職を失い、経済的試練を余儀なくされている方々など」、私たちの見えないところからの苦しい叫びがあることを覚えつつ、執り成すことを心がけたいと願っています。しかし、これら日本の問題を超えて世界に目を向けると、コロナパンデミックによって、ナショナリズム、個人主義、貧富の差、ワクチン利己主義といった資本主義の悪いところがさらに深刻化していることに気づかされます。

先日の国連5機関による発表では、2020年に世界の飢餓が劇的に悪化したそうです。昨年2020年には世界人口の約10分の1、最大で8億1,100万人が栄養不足に陥ったと推定されています。栄養不足の人々の半数以上(4億1,800万人)はアジアに、3分の1以上(2億8,200万人)はアフリカに住んでおり、ラテンアメリカとカリブ海諸国はそれよりも少ない6,000万人ほどであったそうです。その中でも、飢餓が最も急増したのはアフリカで、栄養不足の割合は人口の21%と、他の地域の2倍以上になっている現状です。このような世界的状況を前にして、先週、東京オリンピックの大会関係者向けの弁当4,000食分が廃棄されたという驚きのニュースを聞き、悲しみに包まれていました。

平和を覚えるこの季節、連日の金メダルに沸きつつも、コロナ危機の中、忘れられている人々、極度の飢餓の中で死んでいく人々のために執り成しつつ、救いの手を差し伸べる世界中の神の家族を求めます。シャローム!


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