2021年9月9日木曜日

2021.7.25 牧師室便り

   ~ 優先順位は正しいのか ~

「イエスはお答えになった。…『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』」(マルコ12:29-30)

先週から東京オリンピックが始まりました。喜びと希望の祝祭となるはずのオリンピックがコロナ危機の中で不安と危惧の場に変わってしまいました。一年を延期し、再び延期するのは難しかったため、無理やり開催へと踏み切ったわけですが、オリンピック選手村からも感染者が発生し、世界各地からの選手や関係者による感染がジワリジワリと広がっているような状況です。日本国内においても様々な面で問題が生じ、未だ国民の半分以上の人が中止を叫ぶ中でオリンピックが強行されているわけです。そのためか、今回の東京オリンピックを呪われたオリンピックとまで呼んでいる…。

恐らく金メダルを取る人が一人二人と現れることで、風向きが変わることもあるかもしれません。しかし、それでいいのかということを問わなければなりません。マスコミや人々の間では、国際オリンピック委員会(IOC)がこだわっているところはお金だけであって、日本の政治家たちはもうすぐ行われる総選挙のために、オリンピックによる雰囲気の反転を期待して大多数の国民の反対を押し切っての開催に至ったのだと言われるところです。

このような状況を目の当たりにして私たちキリスト者が選ぶべき優先順位は何でしょうか。何よりもまず、東京オリンピックと日本の国と国民のために執り成すことでしょう。願わくは、IOCも、日本政府、日本国民も、お金と政治的欲望を満たすためではなく、また、愛国心に燃えて盲目的になるのでなく、神の国の民として、隣人を愛し、一人一人の命を守ることを第一にすることです。隣人(すべての人)の命を守ること以上の優先順位はないはずです。その上に立って現実を見ると、神の国を生きる民として進むべき正しい道が見えてくるでしょう。シャローム!


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