~ 真の預言者が求められる時代 ~
「ああ、わが主なる神よ、わたしは語る言葉を知りません。わたしは若者にすぎませんから。」(エレミヤ1:6)
9月のリビングライフのテキストはエレミヤ書です。エレミヤは「涙の預言者」、「孤独の預言者」と呼ばれている預言者です。彼が活動していた時期は南ユダ王国が滅亡に向かって一直線に進んでいた暗黒とも呼ばれていた時でした。神は、エレミヤという20歳前後の弱々しい若者を召され、神の言葉を伝える預言者とされました。もともとエレミヤは預言者という働きを望んだことも、求めたこともありませんでした。すべては神の選びによるものでした。しかもエレミヤが語るべき預言の内容は、南ユダ王国への神の裁きと滅亡というとても厳しいものでした。ですから、これらの預言のメッセージを告げるという使命は、若者エレミヤにとっては大きな重荷になっていたはずです。
しかし預言者は、「神から預けられた御言葉を人々に伝える人」です。自分勝手に神の言葉を省略したり、追加したりすることはできず、ただ神から預けられたすべてのことを加減なく、あるがままに宣べ伝えなければなりません。実に、当時の多くの偽預言者たちは神からの御言葉でなく、権力者や民が聞きたがる甘い言葉を語り続けていました。その結果、政治や宗教指導者たちをはじめ、民全体がご利益の信仰に陥り、ますます神から遠く離れてしまうことになったのです。真の神の言葉が聞こえなくなった時代、神は一人の若者を預言者として選ばれたのです。
今私たちの置かれている状況を考えるとエレミヤ時代とさほど違わない暗闇の時であると思います。新型コロナウイルスにすべての基盤が崩れ落ち、将来が見えなくなった時代、死への恐怖と不安に包まれている世界です。まさに政治的、経済的、社会的混乱は日に日に増している。このような時代に求められるのが預言者の言葉です。神の国の成就と終末に向けて進んでいく世界に向け、神の言葉を加減なく語る一人の預言者、また、民と共に泣き、共に笑うことができる預言者、神と人との間をつないでくれる一人の預言者を求められるのです。シャローム!
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