8月は、「平和をつくる」という使命を思い起こす月です。終戦から74年の月日が流れました。
今日の礼拝では、改めて数字を挙げて、簡単に戦争の歴史を振り返ります。日本の敗戦が決定的になりつつある1945年は、2月から日本全国にB29爆撃機を中心とする本土空襲が行われ、200以上の都市が爆撃され約1千万人が被災されたとあります。資料によると殆どの空襲は、6月~8月にかけて集中的に行われ、日本が統治していた台湾の台北市、台南市でも空襲を受けて多くの住民が巻き込まれています。
1日には、富山大空襲を始め水戸・八王子・長岡に一斉空襲が行われました。富山だけで、B29・174機。死者2,737人。負傷者7,900人。焼失家屋24,914戸(市街地の99.5%)。罹災人口109,592人。広島・長崎の原爆を除けば地方都市として最大の被害と記録されています。8月6日午前8時15分には広島に原爆が投下され、56万人が被爆し、16万6千人が投下から4ヶ月で亡くなられました。8月9日午前11時02分には長崎に原爆が投下され24万人が被爆し約7万4千人が亡くなられました。原爆の被爆者は、日本人だけではなく、日本に在住や徴用された中国人や朝鮮人も含まれています。空襲は、その後日本が降伏するまで各地で続き、2千人以上が亡くなっています。日本の犠牲者を思い祈りましょう。
一方、中国大陸への侵略から始まって、日本軍によって戦争に巻き込まれ、犠牲となったアジア・太平洋の人々は、2千万人以上とも言われています。今日、加害側である日本の人々が、日本軍による民間人の犠牲者数を自虐史観であるとして、ネットなどの情報を根拠として矮小化したり、南京やシンガポールなどでの虐殺が無かったと決めつけたりするなど、戦争を正当化する人々が増えています。アジア・太平洋の犠牲者を思い祈りましょう。
忘れてはならないことは、妄信的に突き進む軍部の戦争政策を止めることも、また、戦争を早期に終わらせ、犠牲者を少しでも減らすために降伏決定を下すにも、判断する主権が市民になかったことです。戦争の実態を知らず、戦争を語る国会議員が出てくるなど、憲法論議の背景には、歴史に対する無知や傲慢があるように思われます。
イエス様は、このような時代に私たちに何を語られるのでしょうか。「平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる。」(マタイ5章9節)
アッシジの聖フランシスコの平和の祈りを祈りましょう。「主よ、わたしをあなたの平和の道具としてください。S.S執事
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