2025年3月11日火曜日

2025.3.9 本日の宣教

 『父よ、一つにしてください 』~恵みのトライアングル~

               ヨハネによる福音書17章20~23節

今日の聖書本文であるヨハネの福音書17章は、イエス様が生涯を終える前に切実に祈られた最後の遺言の祈りの内容です。
その祈りの中心主題は、「父よ、彼らを一つにしてください」という祈りでした。なぜそうだったのでしょうか。もちろん、最後の晩餐の時の弟子たちの分裂を目の当たりにしての切なる願いであったことと同時に、今でなくてもやがて彼らが分裂すること、その分裂によって教会が深刻な危機に直面することを知っておられたからでしょう。まさしく十字架にかかられる最後の瞬間、数多くの祈りの課題があったにもかかわらず、主は全身全霊と心を尽くして「彼らを一つにしてください」と祈られたのです。
この主イエスの祈りは、11弟子たちだけではなく、彼らの言葉を通して信じるすべての人々のためであったことを明らかにされます。すなわち、この祈りには私たちも含まれています。主が私たちに求めておられるのは、信仰者同士の分裂ではなく、一つとなることです。
この主イエスの祈りを通して、私たちは「恵みのトライアングル」を知ることができます。
まず、父なる神と御子イエスの一致です。
「父よ、あなたがわたしの内におられ、わたしがあなたの内にいるように…。」(21節a)…主イエスの一致の祈りの前提がここに示されています。父なる神と御子イエス・キリストは完全な愛の一致の中におられます。この一 致こそが、すべての恵みの源です。イエスは神の愛を完全に受け、その愛に生きられました。私たちがイエスを信じることは、この愛の一致に招かれることを意味します。
次に、主イエスと私たちの一致です。
「彼らもわたしたちの内にいるようにしてください。」(21節b)…主イエスは信じる者の内に住まわれるお方です。私たちは自分の力だけでは神に近づくことができません。しかし、主ご自身が私たちの内に生きることによって、私たちは神との一致の中に入れられます。この一致こそが、私たちの人生を支える恵みの土台です。
最後に、私たち同士の一致です。
「わたしが彼らの内におり、あなたがわたしの内におられるのは、彼らが完全に一つになるためです。」(23節)…父なる神と御子イエスの一致、主イエスと私たちの一致はさらにその輪を広げ、信じる者同士の一致へと広がります。教会は、この一致を味わわせ、一致の恵みと栄光を現す共同体です。この「恵みのトライアングル」こそが、私たちの信仰生活の中心です。互いに愛し合い、一つとなるとき、神の愛が現れ、世は神の恵みを知るようになります。
受難節に入り、最初に向かう主日礼拝です。主イエスが最後のすべてを注いで祈られた一致への祈りを黙想しつつ、私たち一人ひとりがこの恵みの交わりに生きることができるよう、共に祈り求めてまいりましょう。ハレルヤ! 

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