2023年5月31日水曜日

2023.5.28 本日の宣教

『 われ何をもちて、これに応えん 』   (使徒言行録2章37~39節)

「主はわがために血を流し、今も恵みを与えたもう。われ何をもちて、これに応えん。われ何をもちて、これに応えん。」先週の教会学校成人クラスの聖書の学びは、ローマの信徒への手紙3章7~25節「内在する罪の問題」の個所でした。24節「わたしはなんと惨めな人間なのでしょう。死に定められたこの体から、誰がわたしを救ってくれるのでしょうか。」という言葉を読んだ時に、私の心に、新生讃美歌300番「罪ゆるされしこの身をば」の繰り返しの一節が心に響いてきました。

さて、今日はペンテコステ(聖霊降臨日)です。イースターから50日目に、キリストの弟子たちの上に天から聖霊がくだり、教会が誕生した日です。罪に囚われ死に定められた私たちが、罪を悔い改め、聖霊によって罪から解放され、永遠のいのちの希望を与えられたのは、ペンテコステがあり、教会を通してイエス・キリストの十字架の愛を知ったからです。2千年という時間と世界という空間を超えて、福音は今も私たちに福音の希望をもたらしてくれています。

ヨハネの福音書16章でイエス・キリストは、聖霊の降臨と働きについて弟子たちに、そして、私たちに語っておられます。13節「真理の霊が来ると、あなたがたを導いて真理をことごとく悟らせる。」この個所を理解することは、極めて難しいことです。頭で理解することは、できないかもしれません。人生を通して、この真理が心に刻まれていくのかと思います。

 聖霊降臨は、イエスが十字架にかかり、使徒たちが恐怖でイエスのもとから逃げてしまい、3日目に復活したのちに40日にわたり彼らのもとに現れ、神の国について話されたのち、「あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、エルサレムばかりでなく、ユダヤとサマリアの全土で、また、地の果てに至るまで、わたしの証人となる。」(使途1:8)と言われた通り、イエスは天に上げられ、五旬節に集まった使途や弟子たちの上に起こりました。使徒たちは、イエスが捕らえられ、十字架にかかるという現実に直面し、自分たちも捕らえられて殺されてしまうのではないかという恐怖に囚われてしまいました。イエスが十字架の死を事前に使徒たちに伝えた時に、使徒たちは、頭では決してイエスを裏切るようなことは死んでもしないと考え、イエスと共にどこまでもついていくと語っていました。そのような辛辣で悲しい出来事とイエスの復活の喜びの経験を経て、聖霊の降臨によって力強く、世界に福音を伝えていきます。

 先週、ズームというコンピューターのオンライン会議システムを使い、世界のYMCAの退職者約100人が参加し、様々な言語の人たちがウクライナとヨーロッパの総主事を通して、ウクライナ戦争でのYMCAの活動報告を聞き、平和を祈りあいました。この時にペンテコステでペトロが語った言葉(使途2章39節)が浮かびました。このYMCAの人たちも「われ何をもちて、これに応えん。」と人生を通して願うイエスの弟子たちです。

                                                                                島田 茂


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