2025年7月26日土曜日

2025.7.6 本日の宣教

 『 信仰に基づく祈りの力  』

                ヤコブの手紙5章14~18節

ヤコブは手紙の締めくくりにおいて、「祈り」について強調します。特に、教会共同体において病気や苦難の中にある人々のために祈ることを勧めています。

私たちの人生には、思いがけない病や苦しみが訪れます。それは、私たちの信仰の有無に関わらずやって来るものです。神を信じる者であっても、私たちは弱さと限界を持つ存在として生きているからです。ヤコブの手紙は、そうした現実から目を背けることなく、信仰共同体がその中をどのように歩むべきかを示しています。

ここでヤコブは、教会が「祈り合う共同体」であるという、非常に重要なメッセージを語ります。信仰共同体とは、ただ礼拝を共にする集まりではなく、互いの弱さを担い合い、祈りによって支え合う関係を築く群れなのです。

まず、ヤコブは「病気の人への祈り」について、「教会の長老を招いて、主の名によってオリーブ油を塗り、祈ってもらいなさい」と勧めます。病人に油を塗ることは、古代においては医学的な行為でもありました。ルカによる福音書10章34節では、良いサマリア人がけがをした人にオリーブ油とぶどう酒を注いだと語られています。しかし、それ以上に重要なのは、「主の名によって」祈るという霊的な行為と結びついていることです。

つまり、教会において、牧会者と信徒たちが苦しんでいる者のために心を一つにして祈ることは、単なる励ましを超えた力を持っているということです。信仰による祈りは、「病んでいる人を救い、主がその人を起き上がらせてくださる」 とまで約束されているのです。

特に、「罪を犯していたのであれば、主が赦してくださる(15節)」という言葉は、人の体と魂が相互に関連していることを示しています。主イエスが中風の人を癒されたとき、まず「あなたの罪は赦された(マルコ2:5)」と言われたことを思い起こさせます。さらにヤコブは「だから」という言葉を用いて、罪を告白し合い、互いのために祈ることが、教会共同体における癒しの働きの核心であることを示します。つまり、罪が取り除かれれば、祈りの力は力強く働くというのです。さらにヤコブは、「正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらす」と述べます。「正しい人」とは、常に神との交わりの中に生き、すべてを神にゆだね、信仰の目で神の働きを待ち望む人のことを指します。すなわち、私たちが「正しい人」となり、心を一つにして互いのために祈るとき、神はその祈りを必ず聞き、応えてくださるのです。

愛する神の家族の皆さん、キリスト者の苦難は、神が働かれるチャンスでもあります。病気や様々な苦しみに遭うとき、共同体の中で心を一つにして祈ることによって、私たちは神の働きを体験することができます。私たちは自分自身のための祈りだけでなく、共同体の他の信徒たちのためにも祈らなければなりません。とりわけ、教会の中で最も弱っている信徒のための祈りは、神が最も喜ばれ、また豊かな祝福をもたらす通路であることを、心に刻みたいものです。…“正しい人よ、信仰に基づく祈りの力を歩みましょう。”

ハレルヤ。


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