中国の武漢市で発生した新型肺炎(新型コロナウィルス)のため、世界中が連日騒いでいます。その感染の広がりが、今までのどんな感染症よりも速いと言われていて、今まで数万人がかかり、数百人の人が命を落としたと報じられています。そのため中国政府は、人口1100万人の武漢市を封鎖し、海外への団体旅行をも禁じるなど対策に追われていますし、世界の国々でも、中国人の入国を断っている状況です。もちろん、このような対策は、やむを得ない現実的選択であると言えましょう。
人類の歴史上、数えきれないほどの感染症が現れたり消えたりを繰り返していて、多くの人の命を奪ったり、経済的にも多大な被害に遭ったりしていたことを覚えています。2010年代だけにしても「エボラ出血熱、SARS 、MERSコロナウイルス、ジカ熱…」などが大きな被害をもたらしました。これに対し、WHOをはじめ、世界の国々は感染症が現れた時からワクチン開発に力を注ぎつつ、乗り越えてきたわけであります。
ただ、ここで押さえておくべきことがあります。それによって、特定の国や地域の人への嫌悪や差別も大きく膨らむということです。感染症の広がりよりも、特定の国や地域の人々を侮辱するような嫌悪や差別の雰囲気の広がりのほうが強力かもしれません。ただ該当する国や地域の人であるということだけでいじめられ差別を受けるような出来事が国や民族、人種に関係なく見られます。
今こそ、互いに支え合い協力し合って乗り越えるべき時です。世界のどの地域、どこの国も自然災害やテロ、戦争、感染症などから完全に守られているところはなく、いつ自分の国や地域が被害に遭っても、おかしくない時代を生きていることを心に留めましょう。とりわけ神の福音こそ、限られた人だけでなく、今を生きる世界のすべての人に届けられるべき、差別も、分け隔てもない恵みの知らせであることを心がけながら歩みたいものです。シャローム!