『 信仰・愛・希望に生きる教会 』
テサロニケの信徒への手紙一1章1~4節
本日からしばらくの間、テサロニケの信徒への手紙を分かち合ってまいります。
一テサロニケの信徒への手紙は、現存するパウロの手紙の中で最も古いものといわれています。テサロニケ教会は、パウロがわずか三週間しか滞在できなかったにもかかわらず、信仰に燃え、福音に生きようとしていた初代教会の模範的な教会でした。
まずパウロは、「恵みと平和」をもって教会に挨拶を送ります。「恵み」(ギ:カリス)は、神がイエス・キリストを通して私たちに与えてくださった救いを思い起こさせます。また「平和」(ギ:エイレーネー)は、旧約聖書における「シャローム」と同じ意味で用いられています。平和は人間が作り出すものではなく、神から与えられる賜物なのです。
続けてパウロは、「信仰による働き、愛のための労苦、希望をもって忍耐する」ことを覚えていると記しています。ここにはクリスチャン生活の本質が表されています。信仰は心の中の思いにとどまるものではなく、行動となって現れます。愛は感情にとどまらず、ときに労苦を伴います。そして希望は、苦難の中にあっても忍耐をもって歩み続ける力となります。テサロニケの信徒たちは、まさにこの三つの実を結んでいたのです。
彼らは決して恵まれた環境の中で信仰生活を始めたのではありません。むしろ、ユダヤ人の妬みによる迫害と社会 からの圧迫のただ中で教会は誕生しました。それでもなお彼らが信仰を捨てず、互いに支え合い、希望をもって歩んでいたことを、パウロは深い感謝をもって神に報告しているのです。
そしてパウロは決定的な言葉を加えます。「神に愛されている兄弟たち、あなたがたが神から選ばれたことを、わたしたちは知っています(4節)」。
これは何という慰めでしょうか。信徒たちは迫害の中で自分たちの信仰が揺らぎ、「本当に私たちは神に受け入れられているのだろうか」と不安に駆られていたかもしれません。しかしパウロははっきりと告げます。あなたがたは神に愛されている。あなたがたは神に選ばれた者なのだと。この言葉によって、信仰生活の基盤を私たちの弱さや努力ではなく、神の愛と選びに置くことになります。
もし自分の力に頼るなら、私たちはすぐに疲れ果て、失敗し、落胆してしまうでしょう。しかし神の愛と選びが確かであるならば、私たちの信仰は揺るぎません。パウロがテサロニケの信徒に伝えたのは、まさにこの確信でした。
私たちが「神に愛されている」ということ、そして「神に選ばれた者である」ということ、この確信こそが、私たちを支え、教会を生かし続ける力となります。これこそ小泉町教会の神の家族お一人お一人が、常に抱くべき告白です。ハレルヤ。
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