『 祈りの人 エリヤのように 』
ヤコブの手紙5章16~18節
「正しい人の祈りは、大きな力があり、効果をもたらします。」(ヤコブ5:16)
ヤコブの手紙のこの箇所では、「正しい人の祈り」がもつ力が強調され、旧約聖書の預言者エリヤがその例として挙げられています。エリヤは、イスラエルの歴史の中で最も偉大な祈りの人として知られており、主イエスの変貌の山では、モーセと共に現れた預言者の代表でもありました(マタイ17:1~8)。
だからこそ、私たちはエリヤと聞くと、どこか遠い存在に思えてしまうかもしれません。彼は火を天から呼び、雨を止め、奇跡を起こした人物であり、私たちには雲の上の人のように感じられます。
しかしヤコブは、その偉大な預言者エリヤについて、「私たちと同じような人間」であったと語ります。つまり、特別な力を持った超人ではなく、弱さや葛藤を抱えながら神に仕えた人だったのです。実際、聖書を読むと、エリヤも落ち込み、恐れ、逃げ出したことがあります。絶望のあまり、「死にたい」とすら願ったこともあるのです。そのような彼の姿に、私たちは自分自身の弱さを重ねることができます(列王記上19章参照)。
それでも、エリヤの祈りは聞かれ、天は雨を止め、またその祈りによって再び雨を降らせたことを聖書は証ししています。なぜでしょうか。それは、彼の祈りが「正しい人の祈り」であったからです。先週も分かち合いましたように、 「正しい人」とは、完全な人間のことではなく、信仰によって救われ、神との正しい関係に生きている人のことを指します。また、常に神との交わりを保ち、すべてを神にゆだね、信仰の目で神の働きを待ち望む人のことです。その正しい人の祈りこそが、力をもって働くのです。その通り、エリヤの祈りには、明確な神の御心への一致がありました。
私たちも、日々の生活の中で、苦しみの時、病の時、罪の中にある時、予想もしなかった試練に遭う時、…あらゆる時に祈りをささげる者でありたいと思います。そしてその祈りが、神の御心に一致してエリヤが起こした大いなる御業をこの地に実現することになるでしょう。
もちろん、私たちが祈るとき、すぐに奇跡のような変化が起こるとは限りません。けれども、神はその祈りを確かに聞いておられます。そして、神ご自身がふさわしい時に、ふさわしい形と方法で応えてくださいます。その祈りの結果を見ることができるのは、今日かもしれませんし、ずっと先かもしれません。しかし、祈り続けること、信頼して待ち望むことこそが、信仰者の歩みなのです。
だからこそ、今日も私たちはエリヤのように祈りましょう。希望が見えない時も、心が乾いている時も、ただ神を信じて祈りましょう。ぜひ、エリヤのように、祈りによって神に働いていただく人生を、共に歩んでいこうではありませんか。
ハレルヤ!
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