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2025年7月31日木曜日

2025.7.27 本日の宣教

 『 迷い出た羊を呼び戻そう 』

                  ヤコブの手紙 5章19~20節

興味深いことに、ヤコブは当時の一般的な手紙の結びのあいさつを記していません。彼は「わたしの兄弟たち」と呼びかけながら、彼らに主イエスの御心を抱くようにとチャレンジします。

ヤコブは、「あなたがたのうちに、真理から迷い出た者がいる」と語ります。初代教会には、ユダヤ教からキリスト教に改宗したものの、患難や迫害に耐えられず再びユダヤ教に戻る人、あるいは異端思想に惑わされ、真理を離れて誤った道へと進んでしまう人が多くいたようです。つまり、これは「教会の外の人々」ではなく、「教会の中の神の家族の兄弟姉妹」のことです。

長く信仰生活をしていても、またかつては熱心に仕えていた人であっても、時には「真理から迷い出てしまう」ことがあります。人生には様々な試練があります。病、経済的困難、人間関係のつまずき、そして内面の葛藤…。その中で、人は知らず知らずの内に心を閉ざし、教会からも、神からも、離れてしまうことがあるのです。

ヤコブは次に、「だれかがその人を真理へ連れ戻すならば」と語ります。ここで注目すべきは「誰か」という言葉です。これは特別な人、牧師や執事だけではありません。すべての神の家族、兄弟姉妹への呼びかけです。

主イエスも、迷い出た一匹の羊を探しに行く羊飼いのたとえ話をされました(ルカ15章)。99匹を残してでも、1匹を探しに行く。なぜなら、その1匹も神の目には尊く、愛されている存在だからです。 ヤコブは「その罪人の魂を死から救い出し、多くの罪を覆うことになる」と宣言します。これはなんという力強い言葉でしょうか。ここで「死」とは単に肉体の死ではなく、神から切り離された永遠の死、霊的な滅びを指しています。そして「多くの罪を覆う」という表現には、旧約聖書の贖いの思想が含まれています。すなわち、神の憐れみが罪を覆い、赦しが与えられるということです。つまり、人を一人連れ戻すことは、単なる「教会の出席者を増やす」ことではありません。それは、永遠の命へと続く道を再び歩ませる、神の大きな働きとなるのです。その一歩を、神はあなたを通してなさろうとしておられるのです。

愛する神の家族の皆さん、私たちは皆、神の羊であると同時に、互いの羊飼いでもあることを覚えましょう。完全な羊飼いはただ一人、主イエス・キリストだけです。しかし、主はご自身の群れの世話を、私たちに任せておられるのです。

迷った羊を探しに出かけて行くのは、大変なことかもしれません。でも、それをするのは、「義務や責任」ではなく、「愛と憐れみ」から出るものです。「迷い出た羊を呼び戻す」。それは、主イエスの心であり、私たちの使命でもあることを心がけましょう。今日、心に浮かぶあの人のことを覚えながら、まず祈り、次に手を差し伸べる一歩を踏み出しましょう。神はその一歩を祝福し、きっとその先に、喜びの再会と回復の時を備えてくださることでしょう。

ハレルヤ!


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