『 祈りと賛美に生きる幸い 』
ヤコブの手紙5章13~16節
「あなたがたの中で苦しんでいる人は、祈りなさい。喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい。(5:13)」
本日の御言葉は、私たちの日常に直結する非常に実践的な勧めです。ヤコブの手紙は、信仰が行いと結びついてこそ本物であることを強調している書簡ですが、その締めくくりの部分にあたるこの箇所では、特に「祈り」と「賛美」の大切さが語られています。
13節でヤコブが使っている「苦しみ」という言葉には、病気だけでなく、人生のさまざまな困難や重荷、心の痛みが含まれます。信仰生活を歩む中で、私たちは思いがけない試練に遭うことがあります。病、家庭の問題、人間関係の苦しみ、孤独、経済的な困窮、心の中の葛藤…。しかしそのような時こそ、私たちにできる最も確かな行動は、「祈る」ことなのです。
祈りとは、神との対話であり、神のもとに自らを運び出す信仰の行為です。祈ることで、私たちは神に自分の思いを打ち明け、心の重荷を委ねることができます。そして、祈りを通して神の平安が心に訪れ、状況が変わらなくとも、心が変えられていくことを経験するのです。
同じく13節の後半、「喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい」と続きます。これは、ただ感情的に「嬉しい から歌う」という意味ではありません。ここで言う賛美とは、父なる神への感謝と喜びを帰す行為です。
私たちは、良いことがあった時、感謝の祈りや賛美を忘れてしまうことがしばしばあります。苦しみの時には神を求めるけれど、喜びの時には神を忘れてしまう。まるで、自分の努力や頑張りでそれを得たかのように錯覚し傲慢になってしまうのです。
しかし、ヤコブははっきりと、「喜んでいる人は、賛美の歌をうたいなさい」と命じています。喜びの源がどこから来たのかを見つめ、それを神に返すことが、賛美の本質です。祈りと賛美は、私たちの信仰生活の両輪のようなものです。苦しみの中で祈り、喜びの中で賛美することで、どんな状況でも私たちは神と共に歩むことができるのです。
「祈りなさい、賛美しなさい」。このシンプルな勧めの中に、神と共に生きる信仰生活の核心があります。苦しみの中では神に助けを求めて祈り、喜びの中では神を賛美する。さらに、祈りと賛美があなたの人生のあらゆる時に現れるなら、あなたは幸いな人として、主と隣人に喜ばれることでしょう。ハレルヤ!
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